双子を妊娠された方は
「帝王切開じゃないと出産できないの?」
「帝王切開怖いな、不安だな」
と出産に対してネガティブになってしまうかもしれません。
双子だからといって必ず帝王切開になるとは限りません!
条件が揃えば経膣分娩も可能なんです。
この記事では、帝王切開の基礎知識やメリット・デメリット、双子の帝王切開の疑問について私の経験も含めて解説しています。
双子を妊娠されていて出産が不安な方、ご自身の出産方法が帝王切開になりそうな方におすすめの記事になっていますので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです。
出産方法にはどんな種類があるのか
経膣分娩
- 自然分娩
自然に陣痛が来るのを待ち、分娩台に横になった状態で赤ちゃんが産道を通って出産する一般的な方法です。
分娩台に座ったまま出産することでいきみやすく赤ちゃんも出てきやすくする座位分娩、お母さんがいきみやすい自由な姿勢で出産するフリースタイル分娩、小さなプールのような場所でリラックスした状態で分娩する水中分娩などがあります。
- 無痛分娩
医療処置により麻酔をすることで、陣痛による痛みを和らげる方法です。
海外では無痛分娩の方が当たり前になっていて、最近では日本でも無痛分娩を選ぶ人が増えているんです。
特に痛みに弱い人、出産による痛みが不安な人、パニックを起こしやすい人におすすめ。
出産後の体力回復を早めることができるので、すぐに育児に専念できますね。
帝王切開
なんらかの理由で経膣分娩が難しいと判断された場合に、手術によりお腹を切開して赤ちゃんを取り出す方法です。
逆子、多胎妊娠、前回帝王切開での出産の場合は予定帝王切開。
自然分娩中にお母さんもしくは赤ちゃんが危険な状況になった場合の緊急帝王切開もあります。
お腹の切り方は?
お腹の切り方には2種類あります。
- 縦切り
安全性が高いので緊急の場合は縦切りになることが多いです。 - 横切り
おへそから下約15㎝あたりを切るので傷跡が目立ちにくいです。
筆者は横切りですが下着を付けていると完全に隠れるので傷跡は気になりません。
帝王切開の時間はどのくらい?
筆者の場合、手術室へ移動してからリカバリー室へ戻るまでの時間は約3時間でした。
お腹を切るまでに手術準備、スタッフの方々が全員揃う、麻酔などがあり実際お腹を切る所から縫合までは1時間前後だったと思います。
赤ちゃんや産院の状況によって個人差がありますので参考程度にしてくださいね。
多胎妊娠だと必ず帝王切開になる?
多胎妊娠だと帝王切開を想像してしまいがちですが、条件が合えば必ずしも帝王切開で出産しなくてもいいんです。
筆者の産院では「経膣分娩でも帝王切開でもどちらでもいいよ」と言われて驚きました。
理由はこちら。
・初めてのお産ではなく、かつ前回の出産が経膣分娩
・子宮の出口側にいる赤ちゃんが頭位
・エコーでの推定体重が1800g超えている
・母体に異常がなく健康体
・週数が34週を超えている
条件は産院によって違うので確認が必要ですが、筆者の産院では上記の条件をクリアすれば経膣分娩も可能でした。
経膣分娩で出産したいという方は1度産院で聞いてみてくださいね。
多胎妊娠の場合、一般的に帝王切開となる理由は?
筆者の場合必ずしも帝王切開でなくてもいいと言われましたが、多胎妊娠では帝王切開が一般的のようです。
その理由を説明します。
1人目が生まれたあとに子宮内の圧が下がってお産が進みにくくなることがあります。
このような状態になると、母子の状態が悪化することがあるため1人目は経膣分娩でも2人目は緊急帝王切開となるようです。
臍帯脱出といって、1人目が生まれたあとに、2人目の赤ちゃんより先にへその緒(臍帯)が出てしまうことがあります。
そうなると血液供給が途絶えてしまい危険なため、緊急帝王切開に切り替えられます。
常位胎盤早期剥離といって、1人目が生まれたあとに、胎盤が子宮壁からはがれてしまうことがあります。そうなると2人目の赤ちゃんに酸素や栄養が供給できなくなったり、母体の出血が止まらないなど、母子ともに危険な状態に陥ることがあるため、緊急帝王切開に切り替えられます。
弛緩出血(しかんしゅけつ)といって、多胎妊娠により子宮が大きく伸びているため、産後に子宮が収縮せず、胎盤がはがれたあとに出血量が多くなってしまうことです。
多胎での出産では単胎分娩よりもリスクが多いため、帝王切開が一般的となっているそうです。
双子の帝王切開の時期はいつ?入院期間は?
帝王切開の時期は何週?
双子の予定帝王切開の時期は37〜38週を設定することが多いそうです。
赤ちゃんが2人もお腹にいるので、あまり大きくなりすぎると母体への負担が大きくなってしまいます。また、37〜38週の時期が1番周産期死亡率が低いと言われているからです。
赤ちゃんとお母さんにとってベストな時期ってことですね。
しかし双子の場合は早産になる確率も高いので、設定した時期に出産できないこともよくあることのようです。
筆者の場合も予定帝王切開は37週で設定していましたが、早産になり35週で緊急帝王切開になりました。
入院期間はどのくらい?
入院期間は双子だからといって単胎との違いはなく、基本的には7日程度です。
ただし、お母さんや赤ちゃんの状態によって期間が延びることはあり得ます。
筆者の子供たちは、出産後2人とも呼吸が不安定で体重も2000gない低体重で生まれてきたため、状態が安定し体重が増えるまで約2週間NICUに入院していました。
なので、母親である筆者の入院期間は7日間、双子は14日間でしたよ。
双子帝王切開のメリット
安全に生まれてくる確率が高い
帝王切開の1番のメリットは赤ちゃんへの安全性が高いこと。
仮に経膣分娩にした場合、1人目が無事に出て来れても2人目は逆子だったのでうまく出てこれるかわからないのが心配でした。
双子の場合は1人目が出てこれても、その後2人目もうまく出てこれる確証がないのです。
筆者はとにかく赤ちゃんを無事に出してあげることを優先したかったので帝王切開に決めました。
出産時間が短い
経膣分娩と比べて出産時間が短いので体力的にも精神的にもストレスが少ないです。
双子だから長いかなと思ったのですが、1人目が出てきてから2人目が出てくるまでの間はたったの2分!
経膣分娩だったら1人目が出た後に陣痛がなくなってしまうという話も聞きますから不安がありますが、帝王切開ならあっという間に2人出てきてくれる安心がありますよね。
分娩中の痛みがない
分娩の痛みがないので出産中の体力消耗がほぼありません。
陣痛を経験している私からすると、いつ終わるかわからない激痛に耐えるのは精神的にも大変でした。
その痛みがなく手術が始まって30分もかからずに2人も生まれて来るなんて驚きでした。
予定帝王切開の場合は計画が立てやすい
帝王切開の日(=出産日)はある程度希望を出せるので、家族と予定を合わせることができます。
事前に出産日が決まっていれば心の準備ができ、落ち着いて出産に望めますよね。
医療保険が適用になる
帝王切開は医療行為になるので、民間の医療保険に入っていれば保険がおります。
筆者の入っていた医療保険でも帝王切開は保険の対象となっていたので給付金を頂くことができましたよ。
ただでさえ双子はお金がかかります。
医療保険に入っている方はご自身が加入している内容を確認してみてくださいね。
双子帝王切開のデメリット
術後の痛みが激痛
手術が終わって麻酔が切れてくるとお腹にかなりの激痛があります。
後陣痛なのか手術の痛みなのかもはやわからないのですが、本当にのたうち回りそうなくらい辛かったです。
でも、痛み止めを処方してもらえるので無理せず辛くなったら痛み止めを入れてもらいましょう。
筆者は痛み止めのおかげで想像していたよりはだいぶマシだったかな?と思います。
これは仕方のないことですが、私の場合横切りでおへそから下15㎝程の場所に長さ約10㎝の傷跡が残っています。時々突っ張る感じがあったり痛みが出ることも。
傷跡が残る
傷跡テープを3〜6か月するように言われるのですが、筆者は痒みが出てきたり張り替えるのが面倒になって3か月程でやめてしまいました。。。
そのせいかわかりませんが一部ミミズ腫れのように盛り上がっているところがあり、これは残念ながらこのまま治らなそうな予感。
個人差もありますが、しっかり傷跡テープを貼っていれば傷跡も目立たなくなるかもしれませんね。
【まとめ】帝王切開は赤ちゃんを安全に出産するための最善方法!
帝王切開は赤ちゃんを安全に出産するための最善の方法です。
とはいえ頭ではわかっていてもお腹を切るのは「怖い」と感じるのは仕方ないこと。
筆者は妊娠期間何度も出血があり、いつダメになるかわからない状況で本当に不安でした。なので、赤ちゃんを無事に産むためならなんだってする気持ちでした。
確かに傷跡は残るし術後すぐは痛みます。
ですが、経膣分娩も経験している私はどちらも痛くて辛かった。
何より赤ちゃんが無事に産まれてきたのを見たら嬉しくてこの選択は間違ってなかったと思えましたよ。
不安なことがあれば先生や助産師さんに相談して帝王切開の基礎知識を頭に入れて心の準備をしておきましょう。
可愛い赤ちゃんを想像しながら無事に出産することだけ考えて残りの妊娠生活をゆったり過ごしてくださいね。
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